人材派遣Q&A
Q1.派遣企業先から「緊急時の連絡用」に個人的な連絡先を教えて欲しいと言われたらどうしたらいいでしょうか?
A1.派遣社員と連絡を取りたい時は、派遣会社に連絡を取って欲しいというべき、連絡先を教えられない理由は次のとおり、
○派遣社員は派遣先企業に雇用されているわけではないので、個人の連絡先を公開する必要はない
○もし緊急のことで至急派遣社員と連絡を取りたいときは、派遣会社と連絡をすればすみやかに派遣社員と連絡がとれる
○もちろん派遣社員本人が進んで自分の連絡先を教えるのであれば何も問題はないが、個人情報保護の考えから、自分の個人情報をしっかり守りたい派遣社員が増えている。
派遣先から個人の連絡先を聞かれたときは、このような理由を踏まえた上で断ることが大切です。しかし、法律や規則を振りかざすと、派遣先との人間関係に影響が出ることもあるので、難しいケースの場合は派遣会社の社員を通して断ってもらうのもよいでしょう。
A2.どうしても辞めたくなったらどうしたらいいでしょうか?
Q2.辞めたい理由をきちんと説明して、問題を解決する
○派遣会社には相談できないとか、恥ずかしくて言えないとか思わず、まずは派遣会社に相談してみましょう。理由もなく仕事を辞めては、派遣会社からの信用を失ってしまいます。それに、辞めたいと思った理由を知ってもらうことで問題点が明確になり、次の仕事の紹介のときにもその理由がいかされることになります。
Q3.「これってセクハラ?」と感じるようなできごとがあったらどうしたらいいでしょうか?
A3.怒らず、恥ずかしがらず派遣会社に相談をする
○派遣会社に相談するときのポイント
人間関係の中で、セクハラと感じるかどうかは、個人によって見方が分かれるところです。派遣会社に相談をするときは憶測ではなく、事実から話していくことがポイントです。逆上してしまっては派遣会社としても相談に乗りにくくなってしまいますので、事実を話した上で、自分の気持ちを説明しましょう。そうすれば、営業担当者も派遣先に交渉してくれます。派遣会社はあなたの味方ですよ。
Q4.派遣先で恋愛感情を抱いてしまったらどうしたらいいでしょうか?
A4.同じ職場で働いているもの同士、恋愛感情をいだくこともあるだろう。ただし、派遣会社は、派遣会社からの紹介で派遣先に来ていることを忘れてはならない。あなたが恋愛騒動を起こして職場が乱れたり仕事が滞ったりすれば、あなたを紹介した派遣会社の信用も傷つけることになるのだ。職場での恋愛は大勢の人を巻き込む可能性があることを認識し、社会人として節度のある行動を心がけよう。
「職場恋愛」は慎重に・・・・!
派遣社員が職場で恋愛相手をみつけることはよくあります。しかし、すべてハッピーエンドになるかといえば、そうではありません。職場で恋愛関係がこじれて仕事がうまくいかなくなるケースも多々あります。だからといって、派遣会社には派遣社員のプライベートにまで口をだす権利はありませんし、そもそも恋愛感情に「待った」はかけられません。派遣社員としては、「問題になるような行動だけは慎んでください」と、お願いするばかりです・・・。
Q5.派遣会社との付き合い方について教えて下さい?
A5.●お世話になる社員とは?
【派遣スタッフが付き合う派遣会社の人々】
①コーディネーター・・・・・派遣スタッフの希望・職能といったデータを把握し、「クライアントからの仕事を誰に依頼するか」をコーディネートしてくれる。
②営業マン・・・・・派遣先であるクライアントを訪ね歩き、稼働中の派遣スタッフに必要事項を伝えたり、苦情を聞いたりと、現場での潤滑油的な役割を担うことになっている。もちろん、新規の派遣先開拓のための営業活動も日々行っている。
つまり、派遣スタッフから見れば、コーディネーターは仕事を配分してくれるキーマンであり、営業マンは派遣先でのさまざまな出来事に対処してくれる相談窓口といえるだろう。
Q6.派遣会社で働くメリットについて教えて下さい?
A6.①時間の確保→正社員で働くとなると、「サービス残業」「同僚とのつきあい」「休日の会社の行事」など、正社員ならではの時間の奪われ方があるもの。その点、派遣スタッフは時給計算で報酬を得るため、時間を切り売りしていると、割り切って働きやすい。
また、派遣会社の担当スタッフに自分の働ける時間の希望を伝えておけば、そこからかけ離れた条件の派遣先は紹介されない。
②生活していくための収入の確保→厚生労働省の統計によると、派遣スタッフの平均的な月の収入は20万円前後。派遣スタッフがもっとも多く従事しているOA機操作や入力業務、ファイリングといった仕事の場合、総じて同程度の収入だ。
ちなみに、時給1500円の仕事ならば、一日7時間、月20日働くと21万円になる。ただし、ここから交通費・社会保険料などを支払うと考えると、この額は正直にいって多くはないだろう。
だが、アルバイトやパートをしながら同じ額を稼ぐには、もっと多くの時間を拘束されなければならない。
生活費を得ながら、かつ自己投資のために使える時間を確保するならば、フリーターよりも派遣スタッフのほうが、数段環境がいいといえるだろう。
③派遣会社が用意している教育プログラム→パソコン関連や語学系の資格所得をめざすなら、派遣会社を用意している講座を利用するのも賢い方法だといえるだろう。
一般のスクールの講座よりも割り引かれた料金で受講でき、そこで収得した資格はそのまま派遣先の評価にもつながる。新たに資格を取ったことで時給が跳ね上がるといったことはないが、派遣先の幅は広がっていく。
また、最近は派遣法の改正で営業職や販売職へと派遣先が広がったことを受け、ビジネスマナーの講習(無料の場合もある)に力をいれる派遣会社も多い。事務系の仕事から営業や販売といった業種へ移りたいとき、講習は背中を押してくれる一手となるはず。
こうした派遣会社が用意しているスキルアップのためのしくみも、アルバイトやパートでは得ることのできないプラスαだといえる。
④派遣先で得られる経験→さまざまな職場を体験できることは、間違いなく派遣で働くことのメリットだ。
正社員としてひとつの会社にいるだけでは見えない多くのことが、数社に派遣されることでわかってくるだろう。同じ業界でも会社によって社風が違い、評価される人間のタイプも異なる。そういったことは現場に入ってこそわかること。もし、自分が将来的に働きたいと考えている業界があるならば、派遣会社にはしっかりと希望を伝えることだ。
たとえば、「将来的にはアパレル業界に進みたい」と考えているなら、その旨をコーディネーターに伝えよう。そのうえで紹介された派遣先が、デパートなどでの販売業務だったとしても、売る現場を体験することは必ずプラスになる。志望している業界そのものズバリの派遣先なら御の字だが、その業界に連なる業種でも、そこで働いた経験は将来役立つはずだ。
派遣ならば、志望の業界を軸に、異なった会社に半年づつ勤めていくといった働き方もできる。
また、学歴など関係なく、名の知れた上場企業で働くことも可能だ。「世間的に有名な企業の内側がどういったものか」が見えてくることで、中小企業のよさを見直すことになるかもしれないし、逆に大企業ならではのおもしろさが体感できるかもしれない。
いずれにしろ、百聞は一見に如かず。派遣先で得られる経験は、意識の仕方しだいで掛け替えのない財産になり得るのだ。
⑤付随して増やしていけることのできる人脈→ これは派遣先で得られる経験の一部になるかもしれないが、人との出会いが豊富なことも派遣という働き方の特徴だ。
派遣会社のコーディネーター、営業マンはもとより、派遣先の社員、派遣先の他の派遣スタッフ、派遣先の取引先の社員、顧客として訪れる人々―。
気の合う人もいれば、合わない人もいるだろう。ただ、人脈の広さは目標を実現する際に有形無形の力になってくれる。
派遣先の管理職に働き振りを認められ、社員となる派遣スタッフは昔から多く、一方で、派遣会社からコーディネーターや営業マンになって欲しいと要請される派遣スタッフも少なくない。
そういったステップの踏み方も人脈のひとつの現われだろうし、「IT系の企業で働いていた派遣スタッフ同士のつながりから起業した」例もあるという。
また、中には、上場企業に派遣されたことをキッカケに玉の輿にのった派遣スタッフもいるそうだ。
人と人とが知り合いになることで起きるさまざまな影響と変化。働くことの楽しさは意外とそんなところにあるのかもしれない。
派遣という働き方は、出会える人の数・職種ともに豊富だ。その中からどのような人脈を築いていけるのか。個々人の行動次第ではあるが、チャンスは他の働き方よりも多いことは頭に入れておくべきだろう。
Q7.派遣で働く期間のめどについて教えて下さい?
A7.しかしながら上に書いたメリットは期間を絞って働くからこそ感じられるもの。なんとなく派遣を続けていると、メリットの多くはデメリットへと変化してしまう。特に収入面での不安は大きい。
(財)人材派遣協会の調べでも明らかだが、ここ数年、派遣スタッフの時給額は横這いから下降傾向にある。仕事の量は増えているが、登録スタッフの数も増えているため、状況は派遣先の力が強い買い手市場のまま。
中には、以前は平均時給額が1500円だった仕事が、ここ数年で平均時給額1300円になったというようなケースもある。
平均月収20万円前後のまま、5年・10年と働き続けることはつらいところだ。しかも、労働者派遣法では「年齢制限をしてはならない」と記されているにもかかわらず、派遣業界には「32歳引退説」や「35歳紹介ゼロ説」なんてものが存在する。年を取ったら仕事が回ってこない。それもまた一面の事実だ。
そういったことを考えると、やはり派遣として働く期間は3年程度。
派遣という踊り場で、次の行く先を見定めながら働く―。それが正解だといえるかもしれない。
Q8.(退職の自由)派遣会社とは違う会社から採用内定通知。派遣で働くのを断ろうとしたけど、派遣会社は取り合ってくれない場合どうしたらいいでしょうか?
A8.内定通知のあった会社に就職したいなら、ずばりそのことを伝えて派遣を辞めることができます。派遣会社との約束があるからといって、そのためにせっかくの採用内定を棒に振ってしまうことはありません。
派遣会社としては、一定期間派遣で働くといった以上守ってもらわなければ困るというのでしょうが、あなたには退職の自由があります。それなりの理由があればそれを告げて即日にでも辞められます。
さらに、あなたの訓練のために使った費用を支払って欲しいといわれるかもしれませんが、労働基準法では、身分拘束につながるような「働いて借金を返す」といった前借金相殺約束などは禁止されています。たとえ訓練費用は働いて返すという約束をしていても拘束されません。辞めるのは自由です。
もし、派遣会社から、辞めさせるわけにはいかないというプレッシャーを受けたときは、職業安定所に相談してみて下さい。相談したことを理由にした不利益な取り扱いは禁止されていますので、安心して相談窓口に連絡してください。
Q9.(雇用制限の禁止)契約途中で派遣先に雇用されることは許されないでしょうか?
A9.労働者派遣法では、スタッフが派遣会社との雇用関係の終了後、派遣先に雇用されることを正当な理由なく禁止する派遣労働契約や労働者派遣契約を締結することは許されない(33条)とされています。
この規定によれば、派遣期間契約の満了後に派遣会社に雇用されるのを禁止するのはもちろん、派遣期間満了前ではあっても、スタッフが派遣労働契約を解除=退職して派遣先に雇用されるのを禁止することも許されません。
労働者が退職をすることは自由です。派遣先が雇用してくれることになったときにも退職しても、損害賠償請求を受けることはありません。
ただし、労働者派遣法は、正当な理由があれば、労働者派遣契約や派遣労働契約に、派遣先に雇用されてはならないことを定めてもかまわないとしています。「正当な理由」があるときは、スタッフに競業避止義務(所属する企業の営業と競争的な性質の行為をしてはならないという義務で、商法では、支配人や取締役に認められます)や守秘義務を負わせることが相当であるような場合をいいます。
たとえば、スタッフが習得した知識・技術・経験が、その派遣会社に雇用されて働いていたからこそ得られた特殊なもので、他の派遣会社では習得できないといったときは、派遣会社の財産として守秘義務や競業避止義務を負わせても相当であると考えられ、例外的に雇用制限をしてもかまわないと考えられています。
派遣会社によっては、スタッフに対して一般的な守秘義務などを定めた就業規則や心得をスタッフに交付していますが、そうした定めを置いておけば雇用制限できるというものではないので、この点をふまえておいてください。前述のような特別な場合でなければ就業規則は合理性がなく、労働者を拘束しないというべきです。
また、就業規則が合理的であっても、労働者がそうした義務を負うことを同意していることが必要です。
このように特殊例外的な場合を除き、スタッフは派遣先から雇用されることを禁止されることはありませんが、派遣先からの誘いに有頂天になって、後述のような肝心なことを見落とさないようにしてください。
Q10.正社員に派遣のメリットだけを自慢していいでしょうか?
A10.メリットだけでなくデメリットも必ず話すようにしましょう。
○派遣のメリットを活用するには、スキルアップのために常に努力していかなければならない
○交通費の負担、ボーナスがない、など、正社員のころと比べてデメリットもある
○派遣先とのコミュニケーション力など、正社員でいるよりも必要となる能力もたくさんある
派遣という働き方を選んだあなたは、正社員よりも派遣の方にメリットを感じていると思います。しかし、派遣先の社員に派遣のメリットばかりを話すと、社員は会社に対する不満をつのらせ、ヤル気を損ねてしまいます。派遣について聞かれたら、メリットとデメリットがあることをしっかり説明しましょう。派遣先の雰囲気を悪くしないような気配りができることも優秀な派遣社員の条件です。